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「今年もまた、在庫が合わんかった…」
富山の農家・高橋さんが毎年悩まされているのが、収穫後の在庫の混乱。
「何ケースあるか分からなくなる」
「去年の出荷分と混ざって分からなくなる」
「誰がどこに置いたか把握できてない」
手書きでメモをとったり、写真を撮って記録したり…それでもミスが絶えない。
原因は“人”じゃない。仕組みがないだけ
高橋さんの現場を見せてもらうと、
・収穫物を置く場所にルールがない
・在庫数の記録が人ごとにバラバラ
・情報の共有手段が口頭またはLINEのやり取り
つまり、**「在庫情報がどこにもまとまっていない」**のが混乱の最大の理由でした。
工夫①:ロケーションごとにラベルを貼る
箱に「トマトA」「トマトB」などと手書きしていたものを、バーコード付きのラベルに変更。
これだけで、
・在庫場所が一覧で確認できる
・「去年の在庫か新しいのか」がすぐに判別できる
目視だけでは見落としやすい分類も、バーコード管理で明確になりました。
工夫②:在庫の記録はスマホで完結
FileMaker Cloudを活用し、
「読み取り→在庫数入力→保存」がiPhoneで完了する仕組みに。
現場でリアルタイムに記録できるから、
・紙に書く→あとでPC入力 の二度手間が不要に
・履歴が残るのでトラブル時にも安心
工夫③:「収穫日」と「出荷日」の履歴を持たせる
在庫の“量”だけでなく、
「いつ収穫されたものか」「出荷までどのくらい時間があったか」もデータで見える化。
これにより、古い在庫が埋もれてクレームになるリスクが減り、計画的な出荷が実現。
結論:農家にこそ“在庫の仕組み”が必要
農業は天候や自然に左右されやすく、
そのぶん「収穫後の在庫処理」が後回しにされがち。
でも、“数える”だけでなく“履歴を残す”仕組みがあれば、
来年の収穫も安心して迎えられるようになります。
高橋さんは今年、「今までで一番スムーズだった」と笑顔で語ってくれました。