在庫管理の「つながり」がないと、現場は止まる
「在庫管理しています」と言っても、
出荷数を手書きで記録していたり、
入荷の履歴が残っていなかったりするケースは意外と多いものです。
でも、在庫というのは「物が動いた記録」があって初めて管理できます。
つまり、在庫管理とは**“入荷”と“出荷”の履歴をきちんと残すこと”**なのです。
入荷データと出荷データがなければ在庫管理はできない
在庫は自然に減ったり増えたりしません。
「仕入れた」「納品した」という**動作(入荷・出荷)**があって、
はじめて在庫数が変動します。
だからこそ、
在庫管理には“出荷データ”と“入荷データ”の両方が絶対に必要です。
受注データや発注データがあると、未来の在庫も見えてくる
リアルタイム在庫は「今」の数字。
でも、今後の欠品や発注計画を立てるには、次の情報が必要です。
- 受注データ → 引当数(出荷予定数)
- 発注データ → 発注残数(入荷予定数)
これらを活用すれば:
- 今すぐ売れるフリー在庫がわかる
- 不足数が明確になる
- 発注のタイミングや数量が見えてくる
引当数とフリー在庫の考え方
引当数とは「まだ出荷してないけど、売れたことが確定している数量」。
出荷予約とも言える存在です。
フリー在庫は、
在庫数 − 引当数で計算されます。
つまり「今すぐ売ってもいい在庫」がこれでわかるのです。
入出庫データで履歴を一元管理
私は**「入出庫履歴」という1つのテーブル**で、すべての在庫の動きを記録しています。
- 出荷したら「出庫」としてマイナス記録
- 入荷したら「入庫」としてプラス記録
- 同時に、在庫マスターも連動して数値を更新
これにより、履歴と在庫が常に同期された状態になります。
現場ではパソコンなんて触れない。だからモバイル運用
出荷しながらパソコンで入力…なんて無理ですよね?
だからこそ、私はiPhoneやハンディ端末でバーコードを読み取り、
FileMaker Cloudにデータを書き込んでいます。
クラウドなので、別のパソコンから見ても、リアルタイムで在庫が反映されます。
棚卸しや発注にも役立つ「今と未来の在庫の見える化」
たとえば、100件の受注があったとして、
それぞれの数量が引き当てられていれば、
今のフリー在庫や欠品状態がすぐに把握できます。
この状態が見えるからこそ、
- 無駄な在庫を持たない
- 適切な発注ができる
- 棚卸しもスムーズになる
すべてが“数字で管理できる”ようになります。
おわりに:在庫は「つながる仕組み」で活きてくる
在庫管理の本質は、「今どれだけあるか」ではなく、
「どう動いてきたか、これからどう動くか」を管理することです。
そのためには、
受注→出荷→入出庫→在庫までが一連の流れでつながっている必要があります。
私自身、FileMaker Cloudでこの流れを作ってきましたが、
現場も事務も驚くほど楽になりました。
在庫管理に悩む方は、まずは
**「在庫の動きが記録としてつながっているか?」**を見直してみてください。