「クラウドで業務がつながると、こんなにラクになるんだ」
これは、僕自身が現場でクラウドシステムを導入したときに一番感じたことです。
中小企業の多くは、「受注は手書き伝票」「出荷はExcel」「請求は別ソフト」とバラバラに管理しているケースがほとんどです。
一つひとつの作業は回っていても、全体がつながっていないと、結局どこかで転記ミスが起きたり、在庫が合わなかったり、スタッフの負担が増えてしまいます。
■ 現場の「分断」が生むムダ
- 出荷漏れや重複を手作業でチェック
- 在庫がないときに受注したまま気づかない
- 締め処理のたびに担当者が残業
- 売上分析や粗利計算に時間がかかる
これらの原因の多くは、「情報が分散していること」にあります。
■ ひとつにまとめる、という発想
僕の現場では、FileMaker Cloud を使って「受注・出荷・在庫・請求・入金管理」をひとつのシステムに集約しました。
それだけで…
- 作業の重複が減る
- 転記がなくなる
- 今どの注文が出荷待ちかがすぐ分かる
- 在庫の引き当てと在庫数が自動で連動
といった、シンプルだけど強力な効果が出ました。
■ Excelや帳票だけでは限界がある
業務が少ないうちはExcelでも何とかなりますが、
商品点数やスタッフが増えてくると、更新ミスや情報の見落としが頻発します。
クラウドで一元管理すれば、社内の誰が見ても「今の状況」がすぐに分かる。
さらに、スマホやiPadで入力できるので、現場でもすぐに対応できます。
■ 最初から100点を目指さない
最初は「受注→出荷→在庫」だけでOKです。
そこに売上データや請求管理をつなげるのは、少し慣れてからでも遅くありません。
ポイントは「つながることの価値を、まず体感すること」。
■ おわりに
“クラウドで業務をひとつにまとめる”という考え方は、
単なるツールの話ではなく、「業務設計の見直し」でもあります。
システムが現場に合っていないと、せっかく導入しても使われなくなります。
だからこそ、現場の流れを理解して、少しずつ育てていくように導入することが成功のカギです。
次回は、実際にどのようにして業務をひとつに集約していったか、具体的なステップをご紹介します。