ロケーション棚って、実はめちゃくちゃ重要です。
商品が10点でも1万点でも、保管する場所が定まっていなければ、
在庫管理は成立しません。
私はこれまでにいくつものロケーション棚を使ってきました。
今回はその経験から見えてきた、本当に使える棚の選び方をお伝えします。
■ 最初は衣装ケースからスタート
最初に選んだのは「衣装ケース」。
ホコリも入らないし、見た目もスッキリ。
でも現場では、「引き出す」「閉める」この動作が地味にストレスになります。
ある日、物流コンサルの方に言われました。
「引き出しって、動作が無駄なんですよ」
確かに。
ひとつひとつ引き出して探す、閉める。その繰り返し。
1時間で50回開け閉めすれば、年間に何時間ロスしてるか…考えるだけで怖いですね。
■ 次は段ボール棚へ…湿気にやられた
次に導入したのが「段ボール製の開口棚」。
コストは圧倒的に安いし、軽くて組み立ても簡単。
ただし、倉庫の床って大体コンクリートです。
つまり湿気が上がるんですよ。
数ヶ月すると、下段の段ボールがふにゃっと…。
「安いけど、耐久性がない」という現実に直面しました。
■ 最終的に選んだのは“中量ラック”
いろいろ試した結果、今は「中量ラック」に落ち着いています。
- 湿気に強い
- 耐荷重300kgまでOK
- 仕切りを入れれば自由にロケーション設計可能
- 高さ・幅もバリエーション豊富
この“中量ラック+仕切り板”の組み合わせは、
運用しながら自由に変更・拡張できるので、長く使えます。
■ 仕切り板は自作、中国で調達しました
中量ラックの弱点は、「仕切り板がないこと」。
業者でも手に入りにくかったので、私は中国で製造依頼しました。
これで、バーコードを貼ったロケーションコードもばっちり分類。
一気に倉庫が整理整頓され、ピッキングの精度も上がりました。
■ 軽量ラックは…おすすめしません
ちなみに軽量ラックも試しましたが、
ちょっと重たい物を載せるとすぐ歪む→ゴミになります。
導入費が安くても、結局は寿命が短く、買い替えコストがかさみます。
■ 女性ピッカーには「1800mm」が限界
棚の高さにも注意が必要です。
現場では女性のスタッフが多い場合、
1800mmを超える棚は手が届きにくくなるんです。
私はラック選定時に、必ず「作業者が届く高さ」を意識しています。
1800mm前後で止める、もしくは上段はストック用にするのがベターです。
■ まとめ:保管棚は“最初にケチると必ず後悔する”
在庫管理で「棚なんて何でもいい」と思うのは危険です。
作業効率・湿気・耐久性・レイアウト変更のしやすさ――
すべてを考慮すると、多少のコストをかけてでも、中量ラックが最適解です。
どんな商品でも、保管は必ず必要です。
だったら、現場の声と使いやすさで選んだ方がいい。
私はそれを、実際に失敗してきた経験から学びました。